短編

鞄 / 安部公房

安部公房の「鞄」という作品がある。 僕が当時高校生の頃に授業で触れ、今も心の中にその鞄は置かれている。もしかすると僕は鞄の中にいるのかもしれない。 僕はこの作品に出会うまで、まるで本というものに興味を持つことができず、感想というものを持つこ…

断片的小説

十月の夜、この街は強すぎる街灯の光で活気にあふれていたが、それとは対照をなすように、家を失くした死体の群れ達の顔、刃物で切り取られたように痩せこけた頬は影を作りながら騒がしく行進を続けている。街のシンボルである時計塔の針は規則正しく動いて…