メモランダム

選ぶというこのことが可能であるのは、選ぶリスト、事件、が目の前に既にあるという受動的可能態であることに他ならない。故に何時でも選択は受動態である。選択する存在そのものが世界から遅れてあるということにより選択は可能性としてある。というよりは…

秋への転移

こういった形で書くということをここでは避けて通りたかったのだ。だがそんな偉業を成せるほど私は何も知らず、今から書くことなどは幼い子供がロウソクに向かって吹いた息のように、火を消すには余りにも頼りなく、燃える盛る赤色の手前で力尽きてしまうこ…

断片的小説

十月の夜、この街は強すぎる街灯の光で活気にあふれていたが、それとは対照をなすように、家を失くした死体の群れ達の顔、刃物で切り取られたように痩せこけた頬は影を作りながら騒がしく行進を続けている。街のシンボルである時計塔の針は規則正しく動いて…

死・神・存在

自己を否定していくことで行き着く先が死であるように、それと同じだけ世界の否定(対象のなさ)は自己の否定へ向かっている。 死による存在の拒絶は存在”自身”の意味解除を果たすが、世界の側はその存在の意味を解除することができない。たしかに「彼はあった…

「さらば、愛の言葉よ」

さらば愛の言葉よ と アルファビル 3Dだろうが多機能携帯端末が出てこようがゴダールだった。タイトル見ればわかるんだけどブレない人だと最初から安心して観ていました。 急に話が飛ぶけれど最近アルファビルを観てなんとなく書いたものを貼り付けておこう…

0181

世界の責任のなさ世界は常に影響を存在に与え続ける中で、責任を敷衍しながら解除し続けている。一存在に責任が無限にやってくる中で最早責任は存在しない。責任とは根拠であり、現象の核であるが、その核はまた無限の現象の核の破片が堆積したものである。…

詩片1

沈黙が呑んだ銃弾が 永遠に還るとき 流れる血は青かった 恍惚の夜 反射した慟哭が 嚮後の岸辺に突き刺ささば 融けだした永遠が空に零れる

81番目の備忘録

<前> ただただ個人的なメモとして保存していたもの。 私が考えてきたことであると同時にそれはつまり私以外の存在が考えたことである。飽く迄もこれは備忘録に過ぎないということを断っておく。 書いた時期がバラバラなので論理的整合性などというものは一…

無題1

リビングのソファに横たわった女の手の爪の先が、黒く汚れていた。私はそれを拭き取ろうと思ったが、女はちょうど、私が手を手に伸ばした瞬間に目を覚ました。女はものすごい剣幕で私を睨んだ。すると女の左目が飛び出した。目玉を繋いでいる筋肉が伸び、そ…

ネブラスカ /  蜿蜒みてぇな家族

ネブラスカを見にゆきました。 まぁなんという頑固親父と体たらくな親族達!というのをまじまじと並べ立て見せ付けられたわけで、母親だけがしっかりと母親かと思いきやそんなことなかったりで、この嫌悪感はまぁそれなりに何処にでもあるような気がするので…

自動手記

列車は最初から脱線していて、あたかもそこに砂漠が存在していて、そこには一匹の羊が三本の足で歩いているように、僕はこの巨大な本のページの見開きの上に腰を下ろしていた。ある晩にはカルカッタの渡船場にゴーレムを見た。彼は非常に敬虔で川の流れを妨…

隠された風景

何故、浮浪者が橋の下を好むのかといえば、人目の付きづらい場所であるから、というのでは回答にはならないだろう。まぁ、回答にならないといえば言い過ぎだが、十分ではないだろう。僕はこれに対する一つの提案をしてみたいと思う。 橋を渡る者の目的は、或…