POPミュージック

明らかに素晴らしい。 この曲の何が素晴らしいかというと、跳躍だ。 跳ねる。水面を壊さないように力いっぱい跳ねる。 なぜ跳躍はこんなにも哀しいのか。 ショパンの英雄ポロネーズ。 POPミュージックという概念。 大衆音楽はまさに大衆の面前に立つ前に壮絶…

闘争

”私” 私の唯一の所有物であろう私が何処からやってきたのかということについて。 ここで<私>は崩壊しているかのように見える。 <私>というとき既に、<私そのもの>は<私>から一歩身を退くようにして常に隠蔽され、<私そのもの>というような<存在し…

Dr.ストレンジラブ

喫茶店に入った時の話だ。 私は変わらず煙草に火をつけて、本を手に取りその周りをぐるぐると回っていた。 本の中に入り込むのは難しいのだ。 年配の老夫婦が部屋の中心にある円卓に腰を下ろして会話をしていた。 夫人はサングラスを掛けていた。 博士の異常…

眼の現象

眼は背景からそれを切断し対象を引きずり出す。対象が事件として、現れた時ようやく、眼が現れる。というよりは"事件"の発生なくして視るという現象は発生しないのである。 「見て」とは眺めることをではなく、事件の目撃者であれと存在者に要求している。全…

秋への転移

こういった形で書くということをここでは避けて通りたかったのだ。だがそんな偉業を成せるほど私は何も知らず、今から書くことなどは幼い子供がロウソクに向かって吹いた息のように、火を消すには余りにも頼りなく、燃える盛る赤色の手前で力尽きてしまうこ…

断片的小説

十月の夜、この街は強すぎる街灯の光で活気にあふれていたが、それとは対照をなすように、家を失くした死体の群れ達の顔、刃物で切り取られたように痩せこけた頬は影を作りながら騒がしく行進を続けている。街のシンボルである時計塔の針は規則正しく動いて…

死・神・存在

自己を否定していくことで行き着く先が死であるように、それと同じだけ世界の否定(対象のなさ)は自己の否定へ向かっている。 死による存在の拒絶は存在”自身”の意味解除を果たすが、世界の側はその存在の意味を解除することができない。たしかに「彼はあった…

「さらば、愛の言葉よ」

さらば愛の言葉よ と アルファビル 3Dだろうが多機能携帯端末が出てこようがゴダールだった。タイトル見ればわかるんだけどブレない人だと最初から安心して観ていました。 急に話が飛ぶけれど最近アルファビルを観てなんとなく書いたものを貼り付けておこう…

詩片1

沈黙が呑んだ銃弾が 永遠に還るとき 流れる血は青かった 恍惚の夜 反射した慟哭が 嚮後の岸辺に突き刺ささば 融けだした永遠が空に零れる

81番目の備忘録

<前> ただただ個人的なメモとして保存していたもの。 私が考えてきたことであると同時にそれはつまり私以外の存在が考えたことである。飽く迄もこれは備忘録に過ぎないということを断っておく。 書いた時期がバラバラなので論理的整合性などというものは一…

無題1

リビングのソファに横たわった女の手の爪の先が、黒く汚れていた。私はそれを拭き取ろうと思ったが、女はちょうど、私が手を手に伸ばした瞬間に目を覚ました。女はものすごい剣幕で私を睨んだ。すると女の左目が飛び出した。目玉を繋いでいる筋肉が伸び、そ…

隠された風景

何故、浮浪者が橋の下を好むのかといえば、人目の付きづらい場所であるから、というのでは回答にはならないだろう。まぁ、回答にならないといえば言い過ぎだが、十分ではないだろう。僕はこれに対する一つの提案をしてみたいと思う。 橋を渡る者の目的は、或…